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原発処理水の海洋放出、台湾での影響は・・・

日本は猛暑が続いているようですね。

先週は札幌のほうが台北(33℃)より暑い、とニュースで聞いて驚いていました。

台北も連日暑い日が続いています。

そして夏のこの時期の特徴として、

「雷陣雨」「西北雨」と呼ばれるスコール(夕立)。

午後に急な豪雨になる日が多く、外出のタイミングが難しいです。

昨日も午後2時ごろ雷が鳴り出したので、雨が降る前に! と慌てて家を出たのですが、

バスに乗っている間に大雨となり、

降車後、信号を渡って向かいのコンビニに入るまでにずぶ濡れになりました。

夏の時期に台湾へ出張予定のある方は、

・折り畳み傘をお忘れなく!

・スコール(大雨)時の移動ば十分気をつけ、2時間前後で弱まる事が多いので、

土砂降りになったら無理せずどこかで雨宿りをするのもお薦めです。

この週末、台北で「日台フルーツ夏祭」というイベントが開催されていました。

台湾の農業部(農業省)や日本台湾交流協会(駐台日本大使館に相当)の共催で、

日本と台湾のフルーツ関連のブースが総統府前広場に並びました。

「夏祭り」なので避けられない事だと思うのですが、暑い中、

出展者・主催者ともに外で本当にお疲れさまですと頭が下がります。​

果物やフルーツジュース、農産品加工品などが売られており、

私は台南の農協ブースでドライマンゴーなどを購入してきました。

たくさんの人で賑わっていました!

農産品の話題に続き、水産品についてもお伝えします。

原発処理水(汚染水)海洋放出の件、心配されている方も多いと思います。

ここ数日の台湾の報道では、

・福島の漁業者の訴え

・福島の水産加工会社経営者さんの、風評被害を心配する声

・日本での「海洋放出反対デモ」の様子

・韓国や中国での反対の様子

・処理水の科学的な(?)解説や懸念事項など

様々な面から紹介するニュース報道を目にしました。

▲日本は「処理水」と呼んでいますが、台湾では「核廃水」などと報道されています

中国では日本産水産物の全面禁輸が発表されましたが、

台湾では輸入措置はどうなるのか? 心配されている方も多いと思います。​

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台湾当局(原子能委員会)のプレスリリースによると、

・関係部署が連携して「3つの原則・4つの措置」で本件に対応する、

・その中で「食品」に関する対応は、現行の放射性物質規制のほか、

・日本から輸入される水産物に対するトリチウム検査を行う

とあります。

​具体的に言うと、

日本からの輸入水産品に対して、2023~2025年に年間100件のトリチウム検査を実施予定(2023年下半期は25件)

その検査は「市場流通品から」サンプリングして検査。→輸入通関時の貨物の留め置きは無し

となり、

現時点で「追加の輸入規制は 課されていない」 

とのことです。(交流協会からの通知)


​とはいえ、消費者への影響は懸念事項です。

台湾では総統選挙を5か月後に控えており(2024年1月)、

この問題が与野党間の政争の具になる懸念もあり、

与野党選挙戦の重要争点の1つになるかもしれない、という見方が強いです。


数年前に台湾で、5県産食品(福島・茨城・栃木・群馬・千葉)の輸入解禁の動きがあった際も、

「与党民進党は弱腰だ!」

「福島の"毒食品"を民衆に食べさせるつもりか!」

というような野党・国民党系メディアによる攻撃(煽るような報道)が、

風評被害や、民衆の「5県産食品の輸入解禁反対」の声につながったこともありました。

​先月台湾の大手水産小売会社の社長さんを訪問した際もこの話題になり、

「メディアの報道によって、一般消費者の買い控えが発生することを心配している」と仰っていました。

​台湾では2022年2月に、ようやく5県産(福島・茨城・栃木・群馬・千葉)の食品輸入が解禁になったばかりです。

「ようやく風評被害も薄れ、福島の水産品が受け入れられるようになったと思ったに・・・」と話す、

福島の漁業者や水産加工会社の社長が訴えていた様子が、頭の中を反芻します。

大きな影響が出ないことを心から願うばかりです。

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